退去費用の支払督促が届いた場合、放置すると2週間で確定し、強制執行が可能になります。 焦らず、まず異議申し立ての手続きをとってください。この記事では、支払督促が届いたときの緊急対処手順を解説します。


支払督促とは

支払督促は、裁判所(簡易裁判所)を通じて相手方に金銭の支払いを求める簡易な手続きです。管理会社が退去費用を回収するために利用するケースがあります。

支払督促の特徴

  • 申立費用が安い(通常の訴訟より低コスト)
  • 相手方(借主)の審理なしで発令される(一方的な申立てだけで出る)
  • 受け取ってから2週間以内に異議申し立てをしないと確定する
  • 確定後は強制執行(給与・預金の差押え)が可能になる

緊急:届いたらまず確認すること

① 書類の種類を確認する

「支払督促」と書かれた裁判所からの書類かどうか確認します。管理会社から直接届く「請求書」「催告書」とは別物です。

支払督促の特徴:

  • 「○○簡易裁判所」という差出人・封筒
  • 「支払督促正本」と記載されている
  • 「2週間以内に異議申立書を提出しないと……」という記載

② 届いた日付を確認し、期限を計算する

支払督促が届いてから2週間以内(14日以内)に異議申立書を裁判所に提出しなければなりません。

期限切れが近い場合は、翌日以降すぐに裁判所に連絡してください。


異議申し立ての手順

ステップ1:異議申立書を記入する

支払督促に同封されている「異議申立書」の書式に記入します。書式がない場合は、以下の内容を書いた書面を提出します。

異議申立書の記載内容:

異議申立書

事件番号:○○令和○年(ロ)第○○号
債権者:○○(管理会社名)
債務者:○○(自分の名前)

上記事件の支払督促に対し、異議を申し立てます。

令和○年○月○日
○○簡易裁判所 御中
債務者:○○(署名)

異議申立書に詳細な理由を書く必要はありません。「異議を申し立てる」という意思表示だけで十分です。

ステップ2:裁判所に提出する(郵送 or 持参)

支払督促を発した簡易裁判所に提出します。郵送の場合は当日消印有効ではなく裁判所到達日が基準になるため、余裕をもって送付してください(配達記録付き郵便推奨)。

ステップ3:異議後の手続きを確認する

異議申立てが受理されると、通常訴訟または少額訴訟手続きに移行します。この段階から審理が始まるため、証拠(精算書・写真・メールのやりとり)を整理しておきます。


異議申し立て後の対応

管理会社との交渉を並行して進める

異議申立て後、訴訟に移行する前に管理会社が和解を提案してくることがあります。この段階でも、ガイドラインに基づく適正額を提示して交渉できます。

法的なサポートを求める

訴訟が見込まれる場合は弁護士・法テラスへの相談を検討します。少額訴訟(60万円以下)であれば弁護士なしでも対応できますが、証拠の整理・法的主張の準備が重要です。

相談窓口の比較は「退去費用の相談窓口を比較|消費者センター・法テラス・弁護士」を参照してください。


放置した場合のリスク

支払督促を無視すると以下のリスクがあります。

状況結果
2週間以内に異議なし仮執行宣言付支払督促が確定
確定後も無視給与・預金・財産の差押えが可能に
差押え実行勤務先への通知、預金の凍結など

いかなる事情があっても、まず異議申し立てだけは期限内に行ってください。


支払督促が届く前に:予防と早期対処

支払督促は、管理会社との交渉が行き詰まった後に使われることが多いです。精算書を受け取った段階で早めに異議を申し立てておくことで、支払督促まで進むリスクを下げられます。

退去費用トラブル全体の解決フローは「退去費用トラブルの解決フロー|請求〜解決まで全手順」を参照してください。


まとめ

  • 支払督促が届いたら2週間以内に異議申立書を提出する
  • 異議申立書は「異議を申し立てる」という意思表示だけで十分
  • 提出は郵送(配達記録付き)または持参で、裁判所到達日が基準
  • 異議後は管理会社との交渉or訴訟審理に移行する
  • 放置すると給与・預金差押えが可能になる

見積書の内容が適正かどうか迷ったときは、退去費用診断ツールで確認してみてください。